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大変珍しい「併合5級」 併合→相当→併合

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本文

提出の医証および再調査結果等により、検討の結果、

1,左肩関節運動可動域低下について、左上肢画像上、左上腕骨に骨折像が認められ、今回の交通外傷後、右肩関節運動可動域の4分の3以下に制限されていることより、自賠責上の後遺障害第12級6号に該当するものと判断します。

2,左肘関節運動可動域低下について、今回の交通外傷後、右肘関節運動可動域の2分の1以下に制限されていることより、自賠責上の後遺障害第10級10号に該当するものと判断します。

3,左手関節運動可動域低下について、今回の交通外傷後、右手関節運動可動域の4分の3以下に制限されていることより、自賠責上の後遺障害第12級6号に該当するものと判断します。

4,上記1,2,3は併合の方法により第9級相当に該当します。

5,左手指可動域低下について、今回の交通外傷後、「1手の5手指の用を廃したもの」と捉えられることより、自賠責の後遺障害第7級7号に該当するものと判断します。

6,上記4よ5は併合の方法により第6級相当に該当します。

7,左座骨神経痛との訴えについて、今回の交通外傷後、「左下肢にがん固な神経症状を残すもの」と捉えられ、自賠責上の後遺障害第12級12号に該当するものと判断します。

8,左足関節運動可動域低下について、左股関節脱臼骨折後、左足関節拘縮により、参考可動域の4分の3以下に制限されていることより、自賠責上の後遺障害第12級7号に該当するものと判断します。

9,右足関節運動可動域制限について、右股関節脱臼骨折後、右足関節拘縮により、参考可動域の4分の3以下に制限されていることより、自賠責上の後遺障害第12級7号に該当するものと判断します。

10,上記6,7,8,9により、併合第5級とします。

11,右股関節および両膝関節運動可動域制限について、それぞれ、左股関節運動可動域および膝関節参考可動域の4分の3以下を超えていることより、自賠責上の後遺障害には該当しません。

考察

珍しい手書き

まず、手書きというのが珍しいです。

手書きのものは毎年数件目にしますが、

これだけの長文というのはこれが初めてでした。

珍しい併合→相当→併合

同一系統の後遺障害等級は、一旦、併合の方法で「相当等級」がつけられます。

今回の場合、左肩・左肘、左手(手首)に後遺障害等級がそれぞれ認定されました。

それらが同一系統の後遺障害であることから、左腕全体(肩から手首)に対して9級という相当等級が付けられました。

次いで、左手指に7級7号が認定されたことから、

左上肢全体(肩から指先にかけて)に対して、

先の相当9級と7級が併合され、

6級という相当等級がつけられました。

そして、他の部位にも13級以上の後遺障害等級が認定されたことから、

先の相当6級と併合され、併合5級という後遺障害等級が認定されました。

最終的には併合5級です。

複雑怪奇な認定方法に戸惑われるでしょうが、

実は基本に忠実な認定に過ぎません。

同一系統の後遺障害等級には相当等級がつけられるという基本通りの認定です。

珍しい最重度等級

脳損傷や脊髄損傷という中枢神経の後遺障害をのぞき、

外傷で5級というのは最も重い後遺障害等級です。

これ以上重い認定は、多くのケースで調整が働き等級を下げられます。

調整の理由は主に、「切断した場合と比較し、それより重い後遺障害等級にはできないから」というものです。

これには賛否両論ありまして、

賛成派は「切断以上に重い後遺障害はない」と言い、

反対派は「機能障害や痛みの原因を抱え続ける方が辛い」と言います。

賛成派の言い分はもっともです。

ところが、反対派の言い分にももっともな点があります。

特に、反対派の言い分を支える根拠として、

重度のCRPS(難治性疼痛の一種)があります。

CRPSの痛みは相当酷いものらしく、心から「切断した方がまし」と思えるものだそうです。

全てのケースでCRPSやそれに匹敵する痛みを抱えるわけではないので、

おおかたのケースで賛成派の意見に賛成です。

しかし、特殊なケースも適切に評価されるのが理想ですから、

ケースバイケースの認定が求められます。

そして、結局、基本に戻ります。

つまり、専門医による診断や、証拠能力の高い検査結果の重要性に回帰するということです。

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肩(関節唇損傷)で14級9号から12級6号へ(異議申立)

肩関節唇損傷で12級6号認定

当初の認定は、「局部に神経症状を残すもの」として、14級9号が認定されていました。

そこから異議申立を行い、12級6号の認定を得ることが出来た事例です。

対応内容

この方の場合、現に肩関節の可動域(ROM)制限があるものの、MRIでも器質的損傷を明確に立証することはできない点が困難でした。

3.0テスラのMRI機器を用いて、且つ、整形外科の分野を得意とする読影専門医に診てもらうことまでしたのですがダメでした。

かろうじて「前方関節唇の軽度損傷」という所見は得られたものの、それだけでは関節可動域制限を立証できるほどの明確な画像所見を得ることはできませんでした。

そこで、周辺事情を積み上げることにしました

肩専門医にまずは見てもらいました。

それも複数に。

そうすることで可動域制限を複数の医師が認めている状況へと導きました。

そして、その内一人の医師のもとで、ブロックテストなど、画像診断のみで原因が分からない場合に実施される検査と治療を兼ねた診療を行ってもらいました。

また、放射線科医にも念のため複数から見解をもらいました。

さらに、別な整形外科医にもかかり、そこでは主にリハビリ中心の経過観察を行ってもらいました。

これまでの状況を丁寧に辿った後遺障害診断書

最後に後遺障害診断書をまとめてもらったのですが、そこにはこれまでの経過を丁寧に辿った内容を記載してもらうことにしました。

通常、医師に後遺障害診断書を依頼すると、他院での実施内容には触れない場合が多いものです。

しかし、他院からの情報提供をもれなく実施し、明確な内容を伝えることが出来ていたことから、それまでの治療経過を他院の実施内容も含めて、1枚の後遺障害診断書にまとめあげることができました。

そして、待つこと約3ヶ月。

無事に後遺障害等級12級6号が認定されました。

ご本人は大変喜んでおられ、こちらも大変喜ぶことのできた事例でした。